著作権法の基礎知識

著作権の基本を概説するページ

著作権法入門,著作権の基礎と実務的に注意すべきポイントを解説

知的財産権のひとつ、著作権について基礎から解説するサイトです。

  1. 知的財産権の概要
  2. 著作権の概要
  3. 著作物の利用
  4. 著作権の保護期間
  5. 著作権の登録
  6. 著作権の侵害
  7. 関連資料
  8. 関連業務

知的財産権の概要

著作権知的財産権の一部を構成する権利である。ここでは知的財産権を構成する要素を概観しておく。

知的財産権の種類(著作権・産業財産権など)

知的財産権は、「知的所有権」や「無体財産権」と呼ばれることもある。経営の視点で見るときには、知的資産の要部を成すと言える。
産業財産権は、従来「工業所有権」と呼ばれていた(現在でもそう呼ばれることがある)。

知的財産基本法 (平成十四年十二月四日法律第百二十二号) 収録時点での最終改正 : 平成一五年七月一六日法律第一一九号

(定義)第二条
この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの (発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。

「世界知的所有権機関を設立する条約」での定義は以下の通り。

Convention Establishing the World Intellectual Property Organization (Signed at Stockholm on July 14,1967)

Article2 Definitions (vii)
"intellectual property" shall include the rights relating to:
- literary, artistic and scientific works,
- performances of performing artists, phonograms, and broadcasts,
- inventions in all fields of human endeavor,
- scientific discoveries,
- industrial designs,
- trademarks, service marks, and commercial names and designations,
- protection against unfair competition,
and all other rights resulting from intellectual activity in the industrial, scientific, literary or artistic fields.

産業財産権の発生には特許庁への出願や登録が必要である。著作権の発生には行政庁の処分は必要とされていない。つまり著作物が誕生すると、何らの手続きなしに著作権が生まれることになる。

著作権の概要

著作権の構成(著作者の権利・著作隣接権)

「著作権」とは著作物から生じる権利であり、著作物を創作した時点で自然発生する。権利を得るための手続は一切必要ない(無方式主義)。この点は産業財産権と大きく異なる部分である。しかし、重要な権利を保全する観点からは、一定の登録手続きを行うことが望ましい場合もある(後述)。

「著作権」という言葉は場合によって様々な範囲を権利を指す。一般に、広義では著作物に関する権利、つまり著作者の権利と著作隣接権を併せた部分を指し、狭義では著作財産権の部分を指す。著作権法の中での「著作権」とは、この著作財産権を指す。

著作者の権利と著作隣接権は独立して作用する。従って両方を同時に侵害する事もあり得ることになる。

公正な利用に留意しつつ、著作権を保護する目的は、文化の発展である (著作権法第一条)。例えば、あらゆる種類の引用・転載を全面的に禁止する事は、ある意味では著作権を手厚く保護する事になるかもしれないが、社会全体にとっては既にある成果物を利用して新たな発展を促す事が出来ないという側面がある。逆にあらゆる転載・コピーを全面的に容認すれば、著作者の権利は無きに等しく創作意欲が生まれない。著作権法は、著作物の公正な利用方法と著作者の権利の保護を規定している。
著作権の保護期間は,原則として著作者の生存年間及びその死後50年間とされている。

日本での著作権保護の内容には様々な国際条約が大きく影響している。

著作物性

「著作物」は著作権法(2条1項1号)によって「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義されている。いわゆる作品とされているものであり、小学生の描いた絵画も著作物である。具体的にどの程度の創作性が要求されるかは、ケースバイケースで判断する他無い。

発明自体は著作物ではない。発明は思想の創作であり、特許権はアイデアを保護するものであるのに対し、著作権は文章や絵画といった表現を保護するものである(但し、アイデアを文書や図画として創作的に表現したものは著作物となり得る)。この差異は非常に重要なものであり、手段を誤ると自らの貴重な権利を失う事にもなりかねない(後述)。

著作物のうち保護を受ける著作物が6条に列挙されている。いずれかに該当するものが著作権法により保護される。

著作者の国籍の条件
日本国民 (わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
著作物の発行地の条件
最初に国内において発行された著作物 (最初にこの法律の施行地外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
条約の条件
条約によりわが国が保護の義務を負う著作物

著作物のうち著作権の目的とならない著作物が13条に列挙されている。

著作権法

第十三条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一 憲法その他の法令
二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人 (独立行政法人通則法<平成十一年法律第百三号>第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人 (地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

著作物の種類

2条1項1号によって定義された著作物を10条1項において例示している。

先に述べたように、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したもの」でなければならないので、例えば全ての建築物が著作物だという訳ではない。およそ一般的でありふれた構造・形状の建築物は著作物とは言えないだろう。

映画の著作物
映画館などで上映されるいわゆる映画にとどまらず、「映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ物に固定されている」ビデオゲームの影像部分なども含まれるとされる。
パックマン事件(東京地裁昭和59年9月28日判決 昭和56年(ワ)第8371号 損害賠償請求事件)等参照。
東京地裁平成11年5月27日判決 平成10年(ワ)第22568号 著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件にも留意すること。

プログラムの著作物
「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう」 (2条1項10号の2)。「その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない」(10条3項)。プログラムは、特許法でも保護の対象となりうる。この場合は発明(アイデア)自体が保護される。特許権の設定登録と著作権によって発明・表現の両面からの保護が可能になる。

その他、著作物として挙げられているものは以下の通り。

二次的著作物
「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう」 (2条1項11号)。

編集著作物
「編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するもの」をいう (12条1項)。

データベースの著作物
「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するもの」である (12条の2 1項)。データベースについては2条10号の3に定義がある。

著作者

「著作者」とは著作物を創作した者であり、著作権法21条の複製権以下に列挙されている(支分権の束、bundle of rights)ように著作物を排他的独占的に利用する権利を有する。

職務著作 (法人著作)

法人その他の使用者(法人等)も一定の要件の下で職務上作成する著作物の著作者たり得る(15条)。尚、著作権法上の「法人」には「法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む」(2条6項)とされている。なお、職務著作該当性が満たされる場合には、財産権のみならず、著作者人格権も法人等に原始帰属する。

プログラムの著作物を除く著作物が職務著作となる(法人等が著作者となる)要件

労働契約や就業規則において、法人等の名で公表しなくとも職務上の著作については当該法人を著作者とする旨の規定があれば、その規定が有効となる。
つまり、従業員 (「法人等の業務に従事する者」15条1項)が法人の発意に基づき職務上作成した著作物については、法人等の名で公表するか、契約や就業規則に前述の規定があるか、どちらかが要件として整えば職務著作として法人が著作者となる。

「法人等の業務に従事する者」については、雇用関係にある者は当然として、法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、法人等がそのものに支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを、業務態様、指揮監督の有無、対価の額及び支払い方法等に関する具体的事情を総合的に考慮して判断すべきとされている。
(最判 平15.4.11 判時1822/133 RGBアドベンチャー事件。但し、当該判決は当事者間の関係が雇用関係に該当することにより職務著作と認定しているので、雇用関係以外の場合に15条1項の適用があるかどうかについて直接的に判示された訳ではない。)

プログラムの著作物が職務著作となる(法人等が著作者となる)要件

コンピュータプログラムについては、その他の著作物と異なり、法人の名での公表を要件とされず、従業員が職務上作成したプログラムの著作物は常に法人が著作者となる。

比較のために、特許法における職務発明について簡単に述べる。

特許法における職務発明の要件は以下の通り。

使用者等の業務範囲に属さない発明(自由発明)や使用者の業務範囲には属するが、従業者等の現在又は過去の職務に属さない発明(業務発明)については予約承継することはできず、そのような契約、勤務規則等は無効である (特許法35条2項)。

なお、使用者が特許を受ける権利を承継する場合には、相当の対価の支払いが必要である。

著作者の権利

著作者の権利(著作人格権・著作財産権)

著作者人格権

著作者人格権は、以下の権利によって構成される。

著作者人格権は、著作者に固有の一身専属権である。従って譲渡や相続の対象とはならない。また著作者の死亡によって消滅する権利である。
しかし、死後においても著作者が生存しているとすれば著作者人格権の侵害となる行為はしてはならないとされている(60条)。

113条6項には名誉声望権が規定されており、これを毀損することは著作者人格権の侵害とみなすとされている。
つまり、名誉・声望を著作者の人格的利益とみなして保護している。

著作財産権

著作財産権は狭義の「著作権」であり、著作権法上もこの意味で「著作権」という言葉を用いている。
著作権は以下の権利によって構成される。

頒布権は、劇場用映画の配給制度を前提に設けられたもので、映画の著作物に関する権利であり、譲渡と貸与の両方を対象とする。適法に譲渡された後も譲渡に関する権利は消尽しない。
但し、ゲームに関しては議論がある。
東京地裁 平成11年5月27日判決 (平成10(ワ)22568)
大阪地裁 平成11年10月7日判決 (平成10年(ワ)6979、平成10年(ワ)9774)
を参照。
ゲームの頒布権についても劇場用映画のそれと何ら変わるところは無いとする見解と、公衆に提示することを目的としない映画の著作物(ゲームソフトの影像部分やビデオ・DVDなど)については、譲渡後に頒布権が消尽するという見解がある。

著作隣接権

著作権法では、著作者だけではなく、著作物を公衆に伝達する者の権利も定めている。これが著作隣接権と呼ばれるものである。実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者について規定されている。実演家の権利については人格権が認められている。

実演家の権利

実演家の権利としては、上記の著作隣接権の他、下記の請求権(債権)がある。

レコード製作者の権利

レコード製作者の権利としては、上記の著作隣接権の他、下記の請求権(債権)がある。

放送事業者の権利

有線放送事業者の権利

著作物の利用

引用とは

S60.10.17 東京高裁 昭和59(ネ)2293 (藤田嗣治絵画複製事件)判決によれば、引用とは、「報道、批評、研究等の目的で他人の著作物の全部又は一部を自己の著作物中に採録すること」であり、これは先例であるS55.03.28 最高裁 昭和51(オ)923 (パロディモンタージュ事件)判決を踏襲するものである。「自己の著作物中に採録すること」であるから、著作権法上の引用の要件を満たす為には引用する側にも創作性が必要である。

引用の要件

著作権法及び判例上、引用の要件とされているものを次に挙げる。

著作権法

判例

上記の要件は、裁判例を見ても、ほぼ定着したと言えるだろう。

しかし、特に主従関係については判断の難しい部分があり、何をもって主従となすのか必ずしも明確ではない。判例では、「両著作物の関係を、引用の目的、両著作物のそれぞれの性質、内容及び分量並びに被引用著作物の採録の方法、態様などの諸点に亘つて確定した事実関係に基づき、かつ、当該著作物が想定する読者の一般的観念に照らし、引用著作物が全体の中で主体性を保持し、被引用著作物が引用著作物の内容を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供するなど引用著作物に対し付従的な性質を有しているにすぎないと認められるかどうかを判断して決すべき」(S60.10.17 東京高裁 昭和59(ネ)2293 藤田嗣治絵画複製事件)とされている。

また、上記の要件とは別に、引用の必要性・必然性や引用が最小限度であることを引用の要件として求める説もある。

これらの条件を満たして引用を行う場合には、出所明示の義務がある(48条)。出所を明示するには、一般に、著作物の題号及び著作者名等の表示が必要であると解されているようだ。絶対音感事件控訴審判決では、出所明示せずに引用を行ったとしても、それ自体は直ちに著作権(複製権)侵害を構成しないが、出所明示そのものが「公正な慣行」であると認められる場合には、単に48条に反するのみならず、適法な引用に当たらないとする。(絶対音感事件 東京高裁平13(ネ)3677,平13(ネ)5920 平成14年4月11日判決)。

S55.03.28 最高裁 昭和51(オ)923 (パロディモンタージュ事件)

法三〇条一項第二は、すでに発行された他人の著作物を正当の範囲内において自由に自己の著作物中に節録引用することを容認しているが、ここにいう引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいうと解するのが相当であるから、右引用にあたるというためには、引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ、かつ、右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められる場合でなければならないというべきであり、更に、法一八条三項の規定によれば、引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するような態様でする引用は許されないことが明らかである。

S60.10.17 東京高裁 昭和59(ネ)2293 (藤田嗣治絵画複製事件)

著作権法第三二条第一項は、「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」と規定しているが、ここに「引用」とは、報道、批評、研究等の目的で他人の著作物の全部又は一部を自己の著作物中に採録することであり、また「公正な慣行に合致し」、かつ、「引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」ことという要件は、著作権の保護を全うしつつ、社会の文化的所産としての著作物の公正な利用を可能ならしめようとする同条の規定の趣旨に鑑みれば、全体としての著作物において、その表現形式上、引用して利用する側の著作物と引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができること及び右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められることを要すると解すべきである。そして、右主従関係は、両著作物の関係を、引用の目的、両著作物のそれぞれの性質、内容及び分量並びに被引用著作物の採録の方法、態様などの諸点に亘つて確定した事実関係に基づき、かつ、当該著作物が想定する読者の一般的観念に照らし、引用著作物が全体の中で主体性を保持し、被引用著作物が引用著作物の内容を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供するなど引用著作物に対し付従的な性質を有しているにすぎないと認められるかどうかを判断して決すべきものであり、

著作物の保護期間

実名 (周知の変名を含む)の著作物の場合は、死後50年まで
無名・変名の著作物の場合は、公表後50年 (死後50年経過が明らかであれば、そのときまで)
団体名義の著作物の場合は、公表後50年 (創作後50年以内に公表されなければ、創作後50年)
映画の著作物の場合は、公表後70年 (創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)

死後、公表後、創作後の期間の計算は、死亡・公表・創作の翌年の1月1日から起算される。

実名または周知の変名の著作物で保護期間が死後50年である場合の計算式は次の通り。
著作者の死亡が2000年10月24日だとすると、2001年1月1日から起算する。
2001+(50-1)=2050
2050年12月末日までが保護期間となる。

保護期間中でもその著作権者の相続人がいない場合は著作権は消滅する。

現行の日本の著作権法の規定だけを見るならば、保護期間の計算は単純とさえいえるかもしれないが、実際は、諸外国の著作権法での保護期間、「サンフランシスコ平和条約(Treaty of Peace with Japan)」に基く「連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律」による戦時加算、旧著作権法、琉球政府による旧著作権法改正(1961)などとの関係で非常に複雑となっている。また保護期間が世界大戦を挟む為に権利関係の調査が困難なことも多い。そのため、専門家によっても意見の分かれる場合があり、度々訴訟の提起されるところである。

Treaty of Peace with Japan

CHAPTER V CLAIMS AND PROPERTY Article 15(c)
(i)
Japan acknowledges that the literary and artistic property rights which existed in Japan on 6 December 1941, in respect to the published and unpublished works of the Allied Powers and their nationals have continued in force since that date, and recognizes those rights which have arisen, or but for the war would have arisen, in Japan since that date, by the operation of any conventions and agreements to which Japan was a party on that date, irrespective of whether or not such conventions or agreements were abrogated or suspended upon or since the outbreak of war by the domestic law of Japan or of the Allied Power concerned.
(ii)
Without the need for application by the proprietor of the right and without the payment of any fee or compliance with any other formality, the period from 7 December 1941 until the coming into force of the present Treaty between Japan and the Allied Power concerned shall be excluded from the running of the normal term of such rights; and such period, with an additional period of six months, shall be excluded from the time within which a literary work must be translated into Japanese in order to obtain translating rights in Japan.

欧米では保護期間を死後70年としている国も多い。

日本は第二次世界大戦中の連合国の国民の著作物について充分な保護を与えなかったという理由から、「連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律」に基づき、通常の50年に加えて、開戦から講和までの期間の分(約10年間)、保護期間が延長された。

著作権の登録

著作物には登録制度が定められている。登録については、プログラムの著作物のみ別の扱いとなっている。

プログラムの著作物以外の著作物については、下記の通り。

申請書類の提出先は文化庁長官官房著作権課。

プログラムの著作物については、他の著作物とは異なった扱いとなっている。

申請書類の提出先は指定登録機関たる財団法人ソフトウェア情報センター。

先に述べた通り、著作権の発生自体には手続きを要しないが、それゆえに権利関係が曖昧・不明となりやすい。第三者対抗要件の具備を企図する場合は、文化庁やソフトウェア情報センターへの登録が有効な手段となる場合もある。
また他の知的財産権としての保護、確定日付の付与、技術的手段による保護など、多角的総合的に保護手段を検討する必要がある。
更に、著作物を利用する者にとってフェアで分かりやすい権利表示や財産権譲渡や利用許諾の手続きの簡便さが求められるだろう。

著作権の侵害

侵害と訴訟

実際の争いの中では、それが著作物であると言えるのかどうか自体が争点となることも多い。

産業財産権との違いとして、依拠の挙証責任が挙げられる。侵害を訴え出る原告側としては、被告がオリジナルに接しているはずであることを合理的に説明出来なければならない。逆に侵害したとされる被告側は、そのような著作物の存在を認知していなかったと主張するケースが多い。

著作者などは著作権侵害者に対して差止請求や損害賠償請求を行うことができるし、侵害者には刑事罰が科せられることもある。

親告罪と非親告罪

著作権侵害等については親告罪とされているが、著作権法上、非親告罪の規定も存在する。

親告罪とは、検察官が公訴を提起するための要件として、被害者その他一定範囲の者の告訴を必要とする犯罪である。
告訴は公訴提起の要件(訴訟条件)であって、捜査の要件ではない。未だ告訴のない場合においても捜査自体はあり得る。(犯罪捜査規範 第70条)

親告罪とされるものは次の通り。

第119条第1項
著作権、出版権又は著作隣接権に対する侵害
第119条第2項第1号
著作者人格権又は実演家人格権に対する侵害
第119条第2項第2号
営利目的による自動複製機器の供与
第119条第2項第3号
侵害物品を頒布目的により輸出・輸入・所持する行為
第119条第2項第4号
プログラムの違法複製物を電子計算機において使用する行為
第120条の2第3号
権利管理情報営利改変等
第120条の2第4号
国外頒布目的商業用レコードの営利輸入等
第121条の2
外国原盤商業用レコードの無断複製
第122条の2第1項
秘密保持命令違反

非親告罪とされるものは次の通り。

第120条
著作者・実演家死後の人格的利益の保護侵害
第120条の2第1号及び第2号
技術的保護手段を回避する装置・プログラムの公衆譲渡等
第121条
著作者名詐称複製物の頒布
第122条
出所明示の義務違反

関連資料

このサイトに収録した関連資料

知的財産基本法 平成十四年十二月四日法律第百二十二号
パロディモンタージュ事件 S55.03.28 最高裁第三小法廷 判決 昭和51(オ)923
藤田嗣治絵画複製事件 S60.10.17 東京高裁 昭和59(ネ)2293

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関連書籍

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体系的解説書

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著作権法」 中山信弘 (有斐閣) ISBN-10: 464114382X ISBN-13: 978-4641143821
詳解著作権法 第4版」 作花文雄 (ぎょうせい) ISBN-10: 4324089752 ISBN-13: 978-4324089750
著作権法 第3版」 斉藤博 (有斐閣) ISBN-10: 464114379X ISBN-13: 978-4641143791
著作権法逐条講義 六訂新版」 加戸守行 (著作権情報センター) ISBN-10: 4885260736 ISBN-13: 978-4885260735

↓知的財産権全般について体系的に学ぶための基本書。

知的財産法 第5版」 田村善之 (有斐閣) ISBN-10: 4641144117 ISBN-13: 978-4641144118
知的財産法 第6版 (有斐閣アルマ)」 角田政芳 辰巳直彦 (有斐閣) ISBN-10: 4641124620 ISBN-13: 978-4641124622

判例集

著作権判例百選 第4版 (別冊ジュリスト No.198)」 中山信弘 大渕哲也 小泉直樹 田村善之 (有斐閣) ISBN-10: 4641114986 ISBN-13: 978-4641114982
要約 著作権判例212」 本橋光一郎 本橋美智子 (学陽書房) ISBN-10: 4313314512 ISBN-13: 978-4313314511

入門から問題意識まで

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知的財産法入門 (岩波新書)」 小泉直樹 (岩波書店) ISBN-10: 4004312663 ISBN-13: 978-4004312666

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〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争」 山田奨治 (みすず書房) ISBN10: 4622073455 ISBN-13: 978-4622073451
→ Copyrightの歴史。話題の良書。このサイトも含めて、現代日本の著作権法のみについて語られることも多いが、著作権とはそもそも何だったのかと考えると新たな発見があるかもしれない。

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門」 白田秀彰 (ソフトバンク新書) ISBN-10: 4797334673 ISBN-13: 978-4797334678
→ 「変人」を自称する学者によるネット時代の法学。Hot Wiredの連載をまとめたもので、くだけた文体になっている。この点については好みが分かれるようだが、特定の勢力を擁護する政治的発言から距離を置き、文化と創作の根本を自然体で考える姿勢の表れではないだろうか。著者サイト「白田の情報法研究報告」を拝見しても、自由な発想を重んじるお人柄が伺える。

コピーライトの史的展開」 白田秀彰 (信山社) ISBN-10: 4797221291 ISBN-13: 978-4797221299
→ Copyrightの歴史。前出の著者による博士論文。

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ」 福井健策 (集英社新書) ISBN-10: 4087202941 ISBN-13: 978-4087202946
→ 著作権に興味のある方なら、これは是非読んで頂きたい。模倣とパロディ、芸術を愛する弁護士が語る。本当に芸術を愛する実務家というのは非常に少ないのではないか。自信を持ってお勧め出来る書。

コモンズ」 ローレンス・レッシグ (翔泳社) ISBN-10: 4798102040 ISBN-13: 978-4798102047
→ 著者ローレンス・レッシグ教授の2002年オライリー・オープンソースコンベンション(OSCON)基調講演「Free Culture」が、Creative Commons帰属ライセンスに基づく日本語字幕フラッシュ版や日本語テキスト版で公開されており、自由に閲覧出来る。 → <free culture>日本語版 <free culture>日本語版 (Wayback Machine)

音楽ビジネス

↓作詞・作曲・編曲・実演・録音等の音楽関係です。

よくわかる音楽著作権ビジネス―基礎編 3rd Edition」 安藤和宏 (リットーミュージック) ISBN-10: 4845612321 ISBN-13: 978-4845612321
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音楽ビジネス・自遊自在 原盤権と音楽著作権を知るためのハンドブック」 鹿毛丈司 (音楽之友社) ISBN-10: 4276237831 ISBN-13: 978-4276237834
音楽ビジネス・自遊自在 実践篇 音楽著作権と原盤権ケーススタディ」 鹿毛丈司 (音楽之友社) ISBN-10: 427623784X ISBN-13: 978-4276237841
インターネット音楽著作権Q&A」安藤和宏 (リットーミュージック) ISBN-10: 4845609940 ISBN-13: 978-4845609949
音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ」 増田聡 谷口文和 (洋泉社) ISBN-10: 4896918991 ISBN-13: 978-4896918991

その他

↓その他、刊行年の比較的浅いものなど。参考までに挙げておきます。

著作権の事件簿―最新判例62を読む」 岡邦俊 (日経BP社) ISBN-10: 482226453X ISBN-13: 978-4822264536
著作権法詳説 第7版―判例で読む16章」 三山裕三 (レクシスネクシス・ジャパン) ISBN-10: 4841904646 ISBN-13: 978-4841904642
最新著作権関係判例と実務」 知的所有権問題研究会 (民事法研究会) ISBN-10: 4896283643 ISBN-13: 978-4896283648

当職の関連業務

著作権に関する講演
著作権に関する相談 (保護・活用など)
著作権に関する調査
著作権に関する契約書の作成
文化庁への登録

著作権に関する入門セミナー (報酬無料)を行っています。少人数でも構いません。→著作権入門セミナー (報酬無料)

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2004-12-01 このページの初出
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2007-12-10 増補改訂
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